大腸カメラ

大腸カメラ検査で
わかること
わかる病気

大腸カメラ検査でわかること・わかる病気大腸カメラ検査では、肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体の粘膜を観察します。
カメラを介してモニターで大腸粘膜を観察するため、炎症や潰瘍、がん、ポリープなどを早期のうちに発見することが可能です。
また、内視鏡の先端から器具を出して組織を採取し病理検査・確定診断を行ったり、ポリープを切除したりといったこともできます。
大腸カメラ検査では、以下のような病気を発見することができます。

大腸がん

早期にはほとんど症状のないがんです。ある程度進行してようやく、血便、便秘、下痢、便が細くなる、腹痛、貧血などの症状が現れます。大腸がんのほとんどは、大腸ポリープががん化したものです。つまり、大腸ポリープの段階で発見し、切除しておくことが、大腸がんの予防につながります。ただ、大腸ポリープも大腸がん同様に症状に乏しいため、無症状であっても40歳以降は年に1回の大腸カメラ検査をおすすめします。また便潜血検査で陽性であった場合には、必ず精密検査として大腸カメラ検査を受けてください。
なお当院では、大腸カメラ検査で発見した大腸ポリープを、その場で切除することが可能です。

大腸ポリープ

大腸ポリープは、過形成性ポリープ、炎症性ポリープ、腺腫に分けられ、うち8割は大腸がんに進行するおそれのある腺腫に該当します。
ポリープが大きくなるほどがん化のリスクが高くなるため、大腸ポリープは大腸カメラ検査で発見次第、切除することが推奨されます。
肛門近くにできたポリープ、大きくなったポリープについては、血便、便が細くなる、腹部の張り、腹痛などの症状が見られることがありますが、基本的には無症状であり、早期発見のためには定期的な大腸カメラ検査が必要です。

感染性腸炎

細菌、ウイルス感染によって起こる腸炎の総称です。原因となる病原体には、ノロウイルス、ロタウイルス、カンピロバクター、サルモネラ菌、O-157(腸管出血性大腸菌)などが挙げられます。
原因となる細菌・ウイルスによって異なりますが、よく見られる症状としては下痢、腹痛、発熱、吐き気・嘔吐などが挙げられます。特に下痢は、必ずと言っていいほど現れる症状です。下痢・発熱・嘔吐がある場合には、脱水症状にも十分に注意しなければなりません。

潰瘍性大腸炎

クローン病とともに、炎症性腸疾患に分類される病気です。10代後半~30代という、比較的若い世代での発症が目立ちます。
血便や下痢、腹痛、発熱などの症状が見られ、進行すると大腸に潰瘍が多発します。またそれに伴い、出血・貧血も起こります。そして症状が良くなる寛解期と、症状が悪くなる活動期が繰り返されるという特徴を持ちます。
厚生労働省より難病に指定されており、完治は困難です。治療では、寛解期を長く維持することを目標にします。当院では、潰瘍性大腸炎、クローン病といった炎症性腸疾患の治療に力を入れており、できる限り以前に近い形で、安心して毎日を過ごせるようにサポートさせていただきます。

クローン病

潰瘍性大腸炎と同様、10~20代の若い世代での発症が目立つ病気です。
潰瘍性大腸炎とは異なり、症状は口~肛門までのすべての消化管で起こり得ますが、頻度が高いのは小腸・大腸です。症状としては、下痢、腹痛、血便、痔瘻、体重減少、発熱などが挙げられます。そしてこれらの症状は、良くなったり悪くなったりを繰り返します(寛解期と活動期)。
潰瘍性大腸炎と同様、難病に指定されており完治は難しいものの、寛解期を長く維持させることで以前と変わらない生活を送ることも可能です。潰瘍性大腸炎とともに当院の専門分野となりますので、お困りの方は諦めずにご相談ください。

虚血性腸炎

生活習慣病による動脈硬化、排便時にいきむ習慣などを原因として、大腸の血流が悪くなり、炎症が起こる病気です。
突然の強い腹痛、下痢、血便などの症状が見られます。また痛みは、虚血性腸炎の頻度が高い下行結腸やS状結腸がある腹部の左側で発生することが多くなります。強い痛みに付随して、吐き気や冷や汗などの症状が見られることもあります。

大腸憩室

大腸粘膜が部分的に外側へとくぼんでしまった状態です。食物繊維の不足や肥満による腹圧の上昇などが原因と考えられています。
大腸憩室が生じただけでは特に症状はありません。しかしそこで炎症(大腸憩室炎)や出血(大腸憩室出血)が起こった場合には、腹痛、下痢、便秘、血便などの症状が見られます。出血は時に大量となり、便器が真赤になるほどの出血に驚いて受診される方もいらっしゃいます。

過敏性腸症候群

炎症、潰瘍、がんなどがないにもかかわらず、腹痛、下痢、便秘を繰り返す病気です。下痢型、便秘型、混合型などに分けられ、混合型では便秘と下痢が繰り返されます。
特に日常生活への影響が大きいのが、下痢を伴う下痢型・混合型です。1日に何度も急激な便意におそわれ、トイレに駆け込むというケースが少なくありません。仕事・学校などの社会生活、あるいは外出自体が困難になるという方もいます。
現在、診断を受けていない人を含めると、人口の1~2割が過敏性腸症候群ではないかと推定されています。20~40代の、働き盛りの世代に好発します。
はっきりとした原因は解明されていませんが、腸管の知覚過敏、ストレスなどが発症に影響しているものと考えられます。

このような症状が
ある方は
検査がおすすめです

  • 血便、便潜血検査で陽性
  • 腹痛
  • 腹部膨満感
  • 下痢、便秘
  • 便が細くなった
  • 急激な体重減少
  • 貧血

大腸カメラ検査の流れ

1~検査の前日

~検査の前日まずは一度、医師の診察のために受診していただく必要があります。
症状などをお伺いし、大腸カメラ検査が必要である場合には、その内容について説明いたします。
またこの診察の際、検査前に飲む下剤をお渡しします。

2検査の前日

検査前日の夕食は、21時までにお済ませください。また夕食は、食物繊維の多い野菜やきのこ類は控え、消化の良い炭水化物・タンパク質中心の食事としてください。
その後は絶食ですが、水、お茶は適量飲んでくださって結構です。
就寝前に、下剤を飲んでいただきます。

3当日の朝

引き続き、絶食です。水、お茶は適量であれば構いません。持病の薬の内服については、当院の医師または処方医にご確認ください。
また下剤を飲んでいただき、何度か排便し、腸内をきれいにします。
※クリニックで下剤を飲むことをご希望される場合には、ご相談ください。

4ご来院~検査

ご来院~検査ご来院後、体調を確認した後、大腸カメラ検査を行います。
ご希望に応じて、鎮静剤を使用します。
検査時間は、15~20分程度です。

5検査終了

検査終了検査後は、リカバリー室でお休みいただいてから、医師が検査結果説明をいたします。検査画像を見ながら説明して参りますので、気になることがあれば何でもお尋ねください。
病理検査の結果については、約1週間後にお伝えします。

井上クリニックの
大腸カメラ
(大腸内視鏡)検査

消化器内視鏡専門医が検査を担当します

消化器内視鏡専門医が検査を担当します大腸カメラ検査は、日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡専門医が担当いたします。
豊富な知識と経験を活かした、精度の高い大腸カメラ検査を行います。検査時間も短く、患者様のご負担も最小限に抑えられます。

鎮静剤を使用した苦しくない検査が可能です

鎮静剤を使用した苦しくない検査が可能ですご希望される場合には、鎮静剤を使用します。
眠ったような状態で、「気づいたら終わっていた」という感じで検査を終えられます。以前受けた内視鏡検査が辛かったという方も、安心してご相談ください。

女性医師が在籍し、女性の患者様も安心して受診できます

女性医師が在籍し、女性の患者様も安心して受診できます大腸カメラ検査の際には、肛門部に小さな穴のあいた検査着に着替えていただきます。お尻のお肌が露出するということはありませんが、男性医師だと恥ずかしい、という方もいらっしゃいます。
そのためご希望される女性患者様につきましては、女性医師が担当させていただきます。ご予約時、または初診時にお伝えください。

患者様に合わせて下剤を4種類から選べます

患者様に合わせて下剤を4種類から選べます大腸カメラ検査の前には、腸管をきれいにするための下剤を飲んでいただきます。下剤にはいくつか種類があり、必要量やその作用が少しずつ異なります。当院では、4種類の下剤をご用意し、患者様に合わせて使い分けています。

大腸ポリープがあった場合、その場で切除できます

大腸がんのほとんどは、大腸ポリープががん化したものです。当院では、大腸カメラ検査で発見した大腸ポリープを、その場で切除することが可能です。また、他院で見つかった大腸ポリープを当院で切除するということもできます。

胃カメラ・大腸カメラの同日検査が可能です

胃カメラ検査と大腸カメラ検査を、同日中に連続して受けていただけます。それぞれを別の日に受ける場合と比べて、通院回数が少なくなります。また、検査前の食事制限、鎮静剤の使用・検査後の運転制限が1回のみで済み、日常生活への影響を最小限に抑えられます。

潰瘍性大腸炎、クローン病の専門家が勤務

当院では潰瘍性大腸炎やクローン病を専門とした医師が勤務しております。大腸カメラ検査で疾患が発見された際、治療までスムーズにご案内が可能です。

大腸カメラ検査前の
食事は
どうすればいい?

大腸カメラ検査の前日は、21時までに夕食を済ませ、その後絶食となります(水・お茶は可)。
そしてその夕食の内容も、消化の良いものが推奨されます。うどん、そうめん、白米、お粥、食パン、白身魚、魚肉ソーセージ、鶏ささみ、玉子、豆腐など、消化が良く炭水化物・タンパク質の多い食品がおすすめです。

避けた方がよい食事

食物繊維を多く含むもの、脂の多いもの、消化に時間がかかるものなどは避けてください。

  • そば、パスタ、中華麺(ラーメン等)
  • 胚芽米、発芽玄米、雑穀米
  • 全粒粉パン、ライ麦パン、菓子パン、調理パン
  • 青魚、うなぎ、脂身の多い魚類
  • イカ、タコ、エビ、カニ
  • 鶏皮、豚バラ、ロース、ベーコン、ホルモン
  • 食物繊維の多い野菜、種のある果物
  • ネギなどの薬味
  • 海藻類、きのこ類
  • ナッツ類
  • スナック菓子、ケーキ、和菓子など

当院では検査食をご用意しています

あれこれと考えるのが面倒という方、もともと自炊の習慣がないという方のため、当院では検査食をご用意しております。
味・見た目の良い、普通の食事としても楽しめるレベルの検査食が揃っており、ラインナップも豊富です。ぜひ、ご利用ください。

大腸カメラ検査の費用

大腸内視鏡検査は保険適用になる?

「医師が必要と判断した場合」には、大腸カメラ検査には保険が適用されます。腹痛や便の異常といった症状がある、便潜血検査で陽性だった、といったケースです。
反対に、無症状だけど病気の早期発見のために大腸カメラ検査を受けるという場合には、自由診療となります。人間ドックがこれに該当しますが、検査によって病気が見つかった場合には保険診療へと切り替わります。
いずれにせよ、「知らないうちに自由診療になっていた」ということはありませんので、ご安心ください。

検査費用

   
初診料・再診料など 約2,000円~3,500円
大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査) 約5,000円

オプション

   
病理組織検査 約17,000円
大腸ポリープ切除術 約8,000円~30,000円
鎮静剤・麻酔  
検査食  

よくあるご質問

大腸カメラは痛いですか?

鎮静剤なしの大腸カメラ検査の場合には、どんな名医によるものであっても、ある程度の痛みがあるものとお考えください。ただ、何らかの理由により鎮静剤を使用せずに大腸カメラ検査を受けるという方も実際にいらっしゃいます。その場合、ある程度の我慢をしていただくことになります。
一方、鎮静剤を使用した場合には、痛みを感じることはほぼありません。ウトウトとしたまま、「何も感じないままあっという間」に、検査を終えられます。
当院では、鎮静剤の有無に関係なく、専門医による迅速で正確な操作により、少しでも痛みを軽減できるように努めています。

女性なので、大腸カメラを受けるのが恥ずかしいです…

肛門部に穴のあいた検査着に着替えていただきますので、お尻のお肌が露出する、ということはありません。ただ、特に女性患者様の場合、担当が男性医師だと恥ずかしい、というお気持ちはごもっともだと思います。
そのため当院では、女性医師による大腸カメラ検査にも対応しています。女性医師の担当をご希望される場合には、ご予約時、または初診時にお気軽にお申し出ください。

検査当日、生理になってしまいました。このまま検査を受けることは可能ですか?

はい、可能です。使い捨てのシートを敷き、汚れを気にせずに検査を受けていただけます。生理と検査日が重なるというのはよくあることですので、お気になさらず受検していただければと思います。
検査当日が生理である場合には、医師またはスタッフにお知らせください。