ピロリ菌

ピロリ菌の検査を
おすすめする症状

ピロリ菌の検査をおすすめする症状
  • 胃痛、胃もたれが続いている
  • ゲップが多い
  • まわりの人より胃が弱いと感じる
  • 慢性胃炎と診断されたことがある
  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍を繰り返している
  • 将来的な胃がんが心配
  • 家族がピロリ菌検査で陽性だった

上記に該当する場合には、ピロリ菌に感染している可能性が高くなります。ピロリ菌は、一度感染すると除菌検査を受けない限り、胃に潜伏し続けます。検査を受けたことのない方は、一度当院にご相談ください。

ピロリ菌はうつる?

原因や感染しやすい人

ピロリ菌はうつる?原因や感染しやすい人ピロリ菌は、ピロリ菌に汚染された水・食べ物を口にすることで感染します。
ただ、清潔な水・食べ物が流通する現在の国内の衛生環境を鑑みますと、このことで感染する可能性はほとんどないと考えられます。現在の主な感染経路は、親から子への食べ物の口移し、スプーンなどの食器の共有と推定されます。
そのため、ご両親や兄弟姉妹がピロリ菌に感染していた(ピロリ菌検査で陽性だった)という人は、そうでない人と比べると、感染している可能性が高くなります。
なお、ピロリ菌は主に免疫力が十分でない4歳以下の乳幼児に感染します。そして一度感染するとその後除菌治療を受けない限り感染が持続します。
一方で、4歳までに感染しなかった場合には、その後感染するリスクはほとんどないものと考えられます。
つまり大人になってからピロリ菌検査で陰性判定を受けること、あるいは陽性判定を受けて除菌治療を行うことが大切になります。

ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌の検査は、胃カメラを使った方法と、胃カメラを使わない方法があります。
なお、ピロリ菌検査・除菌治療を保険診療として受けるためには、胃カメラ検査で胃・十二指腸潰瘍や慢性胃炎の診断を受ける必要があります。
胃カメラを使わない方法でピロリ菌検査を受ける場合には、自由診療となることを予めご留意ください。当院では、鎮静剤や経鼻内視鏡を用いた、苦痛の少ない胃カメラ検査をご用意しております。

胃カメラ検査

迅速ウレアーゼ試験

ピロリ菌が有するウレアーゼという酵素の活性を利用して、アンモニアの有無を確認することで判定します。

鏡検法

微量の胃粘膜を採取し、顕微鏡でピロリ菌の有無を判定します。

培養法

微量の胃粘膜を採取して培養し、ピロリ菌の有無を判定します。

胃カメラを使わないピロリ菌検査

尿素呼気試験

検査薬を飲む前と飲んだ後の呼気をそれぞれ採取し、ピロリ菌の感染を判定します。

抗体測定(血液検査)

血液中または尿中のピロリ菌の有無を確認し、感染を判定します。

糞便中抗原測定

採取した便の中のピロリ菌抗原を調べ、感染を判定します。

ピロリ菌の治療方法(除菌)

一次除菌、二次除菌とありますが、一次除菌で約90%が除菌に成功します(治療が完了します)。
一次除菌が失敗だった場合には二次除菌へと進みますが、ここまでに99%が除菌に成功します。
そして三次除菌以降については、自由診療となります。

除菌の流れ

1一次除菌

胃酸の分泌を抑える薬を1種類、抗菌薬を2種類、毎日2回、7日間服用します。

2判定検査

一次除菌が終了してから4~8週間後、除菌が成功したかどうかを判定するための検査を行います。
成功していれば、ここで治療は完了です。

3二次除菌

一次除菌で失敗してしまった場合には、抗菌薬のうちの1つの種類を変更し、再び毎日2回、7日間服用する二次除菌を行います。

4判定検査

二次除菌が終了してから4~8週間後、除菌が成功したかどうかを判定するための検査を行います。
成功していれば、ここで治療は完了です。

よくあるご質問

ピロリ菌を放置するとどうなりますか?

ピロリ菌によって少しずつ粘膜にダメージが蓄積し、慢性胃炎・萎縮性胃炎を発症します。そして萎縮性胃炎の一部は、胃がんへと進行します。
また、ピロリ菌の感染は、胃・十二指腸潰瘍の原因にもなります。
早期にピロリ菌の検査・除菌治療を受けておくことで、上記の疾患のリスクを減らす・予防するということが可能です。

ピロリ菌はキスや性行為でうつりますか?

ピロリ菌は、免疫力がまだ十分でない4歳以下の乳幼児にのみ感染すると言われています。そのため、感染している親と4歳以下の子どもがキスをした場合、ピロリ菌をうつしてしまうことが考えられます。その他、食べ物の口移し、食器の共用(親が使ったスプーンで食べさせてやる等)も、同様にリスクのある行為と言えます。
10代同士や大人同士のキス、あるいは性行為において感染することはありません。

ピロリ菌除菌のとき、副作用はありますか?

約10%の症例において、軟便・軽い下痢症状が見られます。
また、一次除菌では味覚障害・腹痛・便秘が副作用として生じることがあります。二次除菌では飲酒時の吐き気・嘔吐が生じるため、除菌中・除菌後3日の計10日間は、禁酒が必要です。
ほとんどは治療を継続できる程度のものですが、かゆみを伴う発疹、ひどい下痢、発熱、下血などの副作用が現れた場合には、治療の中止が必要になることがあります。すぐに当院にご連絡ください。

ピロリ菌の除菌に失敗することはありますか?

一次除菌で90%、二次除菌までに99%以上が成功します。そのうち、失敗のほとんどを占めるのが、医師の指示通りの服用ができなかったパターンです。
除菌に失敗した場合、ピロリ菌が耐性を獲得してしまい、次の除菌治療の成功が難しくなることがあります。飲み忘れには十分にご注意ください。