ウイルス性腸炎

ウイルス性胃腸炎はうつる!

原因や種類は?

ウイルス性胃腸炎はうつる!原因や種類は?ウイルス性腸炎とは、ウイルスの感染を原因として発症する腸炎です。
嘔吐、下痢、発熱などの症状を伴います。原因としてよく見られるのが、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスです。

ノロウイルス

ほとんどが経口感染です。感染者の糞便や吐しゃ物の処理、飛沫、汚染された食品などを介して感染することが多いようです。
11月~翌1月にかけて感染が流行します。

ロタウイルス

乳幼児が冬場に嘔吐・下痢をした時にまず疑うのが、ロタウイルスの感染です。ウイルス性腸炎の中でも頻度が高く、他のウイルスに感染した場合と比べて症状が重くなる傾向にあります。
発症後、少なくとも1週間は糞便中にウイルスが排出されるため、その処理を行った場合には入念な手洗い・消毒が必須です。

アデノウイルス

腸以外にも、呼吸器、目、泌尿器などに感染することのあるウイルスです。
感染者の糞便を介して経口感染したり、飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。

ウイルス性腸炎の症状

嘔吐、下痢、発熱はいずれも、体内の水分を奪います。脱水症状には十分に注意してください。
また、お子様やご高齢の方の場合、吐しゃ物による窒息にも気をつける必要があります。

ノロウイルス

  • 吐き気、嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛
  • 微熱

ロタウイルス

  • 突然の嘔吐
  • 下痢
  • 黄色またはクリーム色の便
  • 発熱

アデノウイルス

  • 下痢
  • 吐き気、嘔吐
  • 腹痛
  • 微熱

ウイルス性腸炎の
潜伏期間と
うつる期間

「症状がない=感染してない・ウイルスをすべて排出できた」わけではありません。
潜伏期間・症状が治まってからしばらくは、まわりの人へ感染させるおそれがあります。

ウイルスの種類 潜伏期間 うつる期間(症状が治まってから)
ノロウイルス 1~2日 3週間
ロタウイルス 1~3日 3週間
アデノウイルス 2~10日 3~4週間

ウイルス性腸炎の治し方

ウイルス性腸炎の治療では、安静と食事療法(食事制限)、薬物療法を行います。
適切な治療により、多くは3~4日で症状が軽快します。

安静と食事療法(食事制限)

安静の上、必要に応じて絶食します。ただし絶食中も、小まめな水分補給は怠らないようにしてください。
症状が落ち着いてから、消化の良いものを少しずつ摂っていきます。

薬物療法

病状・症状に合わせて、整腸剤、吐き気止め、解熱剤などを使用します。
抗生物質は細菌性の腸炎の場合にのみ有効です。
なお、下痢止めはウイルスの排出を妨げるため、重症例以外では基本的に使用しません。

ウイルス性腸炎に
なった時の食事

ウイルス性腸炎になった時の食事通常、まず絶食し胃腸を休めます。絶食中も、小まめに水分を摂取します。電解質を含んだ経口補水液(OS-1など)がおすすめです。
その後、症状が落ち着いてから、お粥、果物、ゼリーなどの消化の良いものを少量ずつ摂っていきます。脂っこい物・刺激物・アルコール・カフェインは当分のあいだ避けてください。おおよそ1週間後には、通常の食事を再開できます。

よくあるご質問

ウイルス性腸炎にかかったら何日休む?

法律上の制限はなく、会社・学校・幼稚園などの規則に従うことになりますので、ご確認ください。
ただ、少なくとも症状が治まってから1週間は、まわりの人にうつしてしまうリスクを考慮し、お休みになることをおすすめします。

ウイルス性腸炎が治ったサインは?

もっとも確実なのは、医師に現在の身体の調子を伝えて判断してもらうことです。
ご自身で判断する場合には、おならが1つの基準となります。おならのにおいがきつい、おならをしてもスッキリした感覚がないという場合には、治ったとは言えません。